みちのくドライブ(山形・酒田)


 福島にはあと1年もいないので、できるかぎり近辺を周っておきたいと思うこのごろ。1人きりだったので、とりあえず山形・米沢にでも行ってみようかと思った土曜の午後。「米沢→山形→仙台→福島」のコースを念頭に置いていたけれど、気がついたら新潟やら秋田県まで足を伸ばしていた。途中で引き返してこれず、けっきょく山形・酒田で宿を取る。着替えもコンタクトの洗浄液も携帯の充電器も持たないまま、思いつきのまま山形県の広さを実感した1泊ドライブ。


<福島→米沢>

 とりあえず福島市内から国道13号を通って米沢市へ。道中、6年後に開通するという東北中央自動車道の建設現場が見える。写真撮っておけばよかった。米沢市に着いたのが16時ごろ。ひところは大河ドラマ「天地人」で話題になったけれど、別に名所旧跡にあまり興味ない。夕飯には時間があるし、コンビニで山形新聞でも買って地元の喫茶店で時間でもつぶそうかと思ったら、夕方とは言え地元紙を売ってなかった。かわりに「玉縄」というのが売っていた。

 コメの収穫と関係あるのかと思ったけれど、店員に聞いてみると「このへんは雪が多いから。雪囲いに使うんです」。なるほど、雪国ならではだなぁ。


<米沢→酒田>
 米沢にいた時はまだ、おとなしく山形市経由で帰宅しようという考えもあった。ぶらぶら車を走らせていると、国道113号にぶちあたる。「まっすぐ西へ行くと日本海に着く」。・・・行ってみるか。途中、小国町という場所を通るが、正直、ホントに何もなさそうな山間の集落だった。このへんから新潟ナンバーのトラックも混じる。片側一斜線の山道。既に外は暗い。山道の途中、道路わきに設置された気温表示計は「9℃」。車から出ると息が白い。

 日本海沿い、新潟県の村上市まで来る。午後7時ごろ。帰るに帰れない。国道7号を北上して翌日に高速道路で帰ることにする。酒田市を目指した。海沿いをひた走る。交通量は少ないわりに、異様に立派な道路。山形にそんな力ある政治家いたっけかと思いながら、ようやくの思いで酒田市に到着。宿泊先を探して電話をかけるも、第一候補の東急インは「このたび撤退しました」という自動音声。4件目でようやく入れた。素泊まり4500円のビジネスホテル。

 荷物を置いて、夕飯だ。宿の近くにあった飲み屋に入る。6〜8人くらいが座れるカウンターと小さな座敷の店。左隣の関には50歳代くらいの背広着たおじさん。右隣には40歳代くらいの夫婦。壁には映画「おくりびと」のポスター。店のママがエキストラで出演したとか。イナダなどの刺身の盛り合わせ、ソイの煮付け、酒は「初孫」。あと「油揚げ」。酒田では、東京でいう「厚揚げ」を「油揚げ」と言う。衣の中の豆腐がもっちりしてうまい。隣のおじさんに日持ちする有名な土産はないかと聞いたら、「トビウオのダシ」を勧められた。あとで奥さんに電話して、それでいいかと聞いたら却下された。翌日、地元の百貨店で菓子を買うことになる。

 目が覚めて。漁港で魚を食べようと思ったけれど、それほど店の選択肢はなかった。昨晩の店にいたおじさんには、「朝7時から9時半までに行けば、500円台の定食が食べられる。あら汁がうまい」とか説明してもらったけれど、起きられず、昼に行ったら、目当ての店にはすさまじい行列。1時間20分待ちですと店員が言う。それでも仕方ないと並んでいたけれど、40分ぐらい経った後で聞いてみると「もうほとんどのメニューは終わっている」と聞いて、嫌気が差す。少し離れた、小さな店に転戦。すぐに座席に通され、5分で料理が出てきた。800円の日替わり刺身丼。味はまぁ、正直、こんなもんだろうなぁというところ。


<酒田→秋田県境→酒田→山形→福島>

 せっかくなので秋田県の県境までと7号を北上していると、左手には風車。

 写真じゃ伝わりにくいが、突然にょきっと出てきて威圧感がある。あとで調べてみると、ここは遊佐町という場所で、風車は現在建設中のもの。まだまだ増えるらしい。南に隣接する酒田市内でも、同じように風力発電の建設計画があったが、「景観を損なう」という地元の反対で頓挫している。

 再び酒田に引き返し、無料化実験中の山形道で帰宅の途につく。一車線の高速道路は、のんびり走る1台が居ると、すぐつっかえる。途中、工事中で20分くらい立ち往生になったりして、ますますいらいらする。道中のパーキングエリアには、「無料化になってどう感じますか」とアンケートを取る調査員がいた。


<おまけ @福島>

 福島に帰ったのは18時過ぎ。疲れた。途中にあった「半田屋」で飯にする。

 うちの子供も、こんな感じに育ってほしいです。