本当のたからもの

 誕生日を彼女に祝ってもらった。おいしい店を予約してくれたり、ケーキを作ってくれたり、プレゼントを選んでくれたり・・・。「家に帰ってから読んで」と、はにかみながら、手紙を渡してくれた。読んでみて、幸せな気分で胸がいっぱいになって、少し泣いた。これは、たからものだ、と思った。祖母の句集と同じ、今年2つ目のたからものだ、と思って、考え直した。たからものって、なんだろうって。

 形に残るモノも、記憶に残る思い出も、どちらもかけがえないけれど。今を一緒に生きていることが、何よりのたからものなんじゃないか・・・。柄にもないことを書いていて恥ずかしいけれど、心からそう思った誕生日。28歳になりました。