オーシャンズ11

 「そこだけ雰囲気が違ってて、あの人たちは何者かって、何度も説明しなきゃなりませんでしたよ」。パーティーの雰囲気を振り返って、新郎が嬉しそうに言う。レストランを貸し切った形式で、参加者は50人くらいだったろうか。新郎新婦と同じ30歳前後が中心だったけれど、奥まったソファの一画には、アロハシャツのマスター、白の帽子・白の上下の60歳手前の常連さん、に始まって、10も20も年上な感じ、周りとちょっと違う人々が固まった。新郎の地元のバーの飲み友達だ。

 「例えるなら『オーシャンズ11』みたいだったね」と誰かが笑って言った。客観的に言ったら、「飲み屋で知り合った人の結婚披露宴に行ってきました」ってつまらない言い方になるんだけど、そうじゃない。「飲み仲間」という言葉が一番適切なのかな。この、奇妙な、一体感。デジカメで撮った写真を後から何度も眺めて、とても幸せな気分になる。アルバムにして贈ろう。新しい夫婦と、このバーに。