再開テスト

てすてすてす

「かのか」の思い出

自宅に焼酎を常備している。「かのか」という1.8リットル紙パック入りの高くない酒だ。缶ビールだけでは満足できないときに、ロックで1、2杯飲む。 妻と結婚する前のこと。彼女の実家に行った何回目かの夜、お父さんが「飲みますか」と言って、この焼酎を…

「あたりまえ」の有難さ

3月11日。妻が「テレビを付けたくない」と言っていた。どこを見ても震災の話で、当日を思い出してしまうと。1年という節目だ。振り返りは大切だ。それでも、被災した人々のなかには、「騒がないでほしい」と思う人もいたかもしれない。マスコミはほとん…

仏像を掘り出すかのように

「2行で1分」。もしかしたら「1行で1分」だったかもしれない。新人のころ、原稿を書くのにかかる時間の目安として聞いた。1つのテーマについて120行で書くことがままある。1行が10文字ちょっと。原稿用紙だと3枚分。目安にしたがうなら1〜2時…

おとうしゃん

先週、女の子が誕生し、2児の父になった。震災だの原発爆発だの色々あったけれど、無事に生まれてくれてほっとしている。出産のためしばらく前から奥さんと長男は里帰り中。週末は会いにいけるけれど、平日は電話でやり取り。 1歳10ヶ月となった長男は成…

空はこんなに青いのに(その4、終わり)

2011年4月3日撮影。 福島県相馬市の松川浦付近。 こんなところまで乗り入れるクール宅急便に復興の兆しを感じた。 しばらくネットにつながらず、更新しないと思います。

空はこんなに青いのに(その3)

2011年4月3日撮影。 福島県南相馬市の北海老地区。 地平線。 ガードレールだけ残った。 家ごと流された。

空はこんなに青いのに(その2)

2011年4月3日撮影。 福島県南相馬市の原町火力発電所。 ペシャンコのタンク。 南相馬市の北泉海浜総合公園。 ガレキの中の日常。

空はこんなに青いのに(その1)

2011年4月3日撮影。 「自主避難」地域にあたる、福島県南相馬市の夜の森公園。 地震の影響か、石碑や像が崩れ落ちてた。 この日、県発表では南相馬市の放射線量は約0、8マイクロシーベルト毎時。遊んでいる子供などいない。福島市に比べると半分未満…

今はただ祈ることしかできない

1年くらい前、福島第1原発3号機を見学した。あのサイコロのような四角い建屋の中は、窓がないから薄暗くて、計器とかケーブルとか作業指示板とか分厚い扉とか、予想に反してけっこうアナログだった。京極夏彦の「魍魎の匣」という作品に出てくる、美馬坂…

福島市、震災一週間後

福島市。自宅の近くに「年中無休」をうたうケーキ屋さんがあって、確かに正月とかもやっていて、休んでいるのを見たことがない。震災から6日目の夕方、たまたま店のそばを通ったら、灯りがついていて、ショーケースにケーキまで並んでいたから、ついつい中…

みちのくドライブ(山形・酒田)

福島にはあと1年もいないので、できるかぎり近辺を周っておきたいと思うこのごろ。1人きりだったので、とりあえず山形・米沢にでも行ってみようかと思った土曜の午後。「米沢→山形→仙台→福島」のコースを念頭に置いていたけれど、気がついたら新潟やら秋田…

なすべきことをなせ

出張で福島県会津若松市を訪れたときのこと。昼ごはんを食べようとたまたま入った喫茶店の中、7、8人は座れそうな大きな楕円形のテーブルの真ん中に、メニューと一緒にB5サイズくらいのノートが置いてあった。表紙に「何でも自由に書いてください」という…

君の目に世界は

日が暮れるまで選挙カーから叫び声が飛んでいた。衆院選。「戦後初めての本格的な政権交代になる」らしい。いろいろと、何かしらは、変わるだろう。ただ、「まず、政権交代」とか「責任力」とかいった言葉ばかり目に付く中で、どこに向かって進んで行こうと…

初雪@福島市

福島市は初雪だった。積もりはしないけど。考えてみると、東京より北の地に暮らすのは初めてなわけで、これまで冬好きを自称していたものの無事に乗り切れるのかどうか。日に日に寒さは厳しくなり、とりあえずいまだに暖房器具がないのはマズイと思い、イン…

 洗濯物がたためない

のんびりした性格のくせに妙に几帳面なところがある。分かりやすいのが洗濯物。干す時に必ず裏表を直す。Tシャツをたたむ時は必ず襟の口が奇麗に上になるようにする。シャツなんてハンガーにかけっぱなしにしてきたから、最初びっくりした。見よう見まねでた…

 本当のたからもの

誕生日を彼女に祝ってもらった。おいしい店を予約してくれたり、ケーキを作ってくれたり、プレゼントを選んでくれたり・・・。「家に帰ってから読んで」と、はにかみながら、手紙を渡してくれた。読んでみて、幸せな気分で胸がいっぱいになって、少し泣いた…

 オーシャンズ11

「そこだけ雰囲気が違ってて、あの人たちは何者かって、何度も説明しなきゃなりませんでしたよ」。パーティーの雰囲気を振り返って、新郎が嬉しそうに言う。レストランを貸し切った形式で、参加者は50人くらいだったろうか。新郎新婦と同じ30歳前後が中…

 盲目中

プラネタリウムに行った。子どものころをのぞくと行くのは初めて。「8割がた寝ると思う」という彼女を笑っていた俺は、開始15分で撃沈。あれは、どうしたって寝る。映像と一緒に流れていた曲が、たぶん「エキセントリックオペラ」で、懐かしくなって、1…

 「世間学」かどうかは知らないけれど

母と妹の誕生日が重なる今月。実家に戻る際に「ケーキを買ってきて」と頼まれて、いつものバーで知り合ったケーキ屋の店長さんにお願いして、特製のケーキを作ってもらった。「近所のケーキ屋さんで、お世話になっていて・・・」と説明すると、祖母が、「あ…

 たからもの

朝起きたら郵便受けに、祖母の句集が届いていた。昨年からずっと、収録する句の選定や装丁やと苦心していた。ついに形になったんだなぁと思うと、ずしりと重い。略歴をみると、昭和60年から俳句を始めたとあるから、いまさらながら25年の成果だったのか…

 オトナの花見

「花見やりましょうよ」「いいねぇ」。いつものバーで言ってみたら好反応。その数日後、再び店を訪れると、なんかみんないろいろプランを練ってくれていた。まず20人くらい座れる場所を1週間前から確保しろ。食器は紙じゃなくてプラスチックのほうが格好…

 かぼちゃの島の時間銀行

小学生のころ、「たくさんのふしぎ」という月刊誌を購読していて、その中の「かぼちゃ人類学入門」という絵本に強烈な印象を受けた。かぼちゃでできた島に住む素朴な人々の話で、奇想天外っぷりに目を輝かせて読んだ記憶がある。その島の銀行には「お金」だ…

 「明日なき我等」

明日の朝に履く靴下がなくて深夜2時にコンビニに買いに行くのは、哀しいことこのうえない。週末バタバタとして洗濯をする時間を取れなかった。部屋の隅に積みあがっている洗濯物の山は、そのまま仕事の行き詰まりっぷりを表している。「入社して何年になる…

 ゴルフデビュー

グロスで229という、空前絶後のハイスコアに終わる。ボーリングで例えるなら、ガーターばかりで30くらいしかスコアを取れなかったと言えばよかろうか。きちっと飛距離出る方々はカートに乗って移動するところ、俺は半分も飛ばないので、打ったら走って…

 はるかなる南極

コンビニで年賀状が売られ始めたのを見て「あぁ冬だな」と思う、その季節感の乏しさが哀しいこのごろ。年賀状と言えば今日、学生時代の恩師から「ひと月早い年賀のごあいさつ」が届いた。「ちょっと南極へ」と書いてある。かつて新聞記者だった先生は、今月…